遺言作成アプリは無料で使える?費用と安全性の確認ポイント
「遺言作成 アプリ」と検索する方は、実際に使うとしたらいくら費用がかかるのか、財産や家族の情報を入力しても大丈夫なのか、という費用面・安全面の不安を抱えていることが多いようです。司法書士事務所リーガルステーションが、遺言作成アプリの料金の仕組みと、個人情報を預ける前に確認しておきたいポイントを整理して解説します。
結論からいうと、財産の整理や下書き作成といった基本的な機能は無料で使えるアプリが多く、やり取りの回数無制限化や専門家への相談機能など踏み込んだサポートは有料プランで提供されるのが一般的です。安全性については、運営会社がどのような体制で情報を管理しているかを契約前に確認することが欠かせません。アプリの種類ごとにできることや使い方を比較したい方は、別記事「遺言書作成アプリは使える?」もあわせてご覧ください。

結論|基本機能は無料、踏み込んだサポートは有料プランが一般的
財産の一覧化や相続人情報の入力、チャット形式での下書き作成といった基本的な機能は、多くの遺言作成アプリで無料の範囲に含まれています。一方、やり取りの回数制限を外す、専門家に直接相談できる、PDF資料を送信できるといった機能は有料プランに含まれることが多く、無料の範囲だけで最後まで完結するとは限りません。
有料プランの提供時期や内容はサービスごとに異なり、後から有料プランが新設されたり、内容が変更されたりすることもあります。利用を始める前に、公式サイトで最新の料金体系を確認しておくと安心です。
遺言作成アプリにかかる費用の目安

無料の範囲でできること
財産(預貯金・有価証券・不動産など)を続柄ごとの相続人情報とあわせて一覧に整理する、チャット形式の質問に答えて分け方の文案・草案を作る、といった準備段階の作業は、無料のまま進められるアプリが多くあります。操作画面は専門知識がなくても迷わず使えるよう分かりやすく設計されているものが多く、家族構成に応じて「相続」と「遺贈」といった法律上の文言の使い分けを自動で判定してくれるものもあります。通帳や登記事項証明書、戸籍謄本といった必要書類の収集をチェックリスト機能で助けてくれるアプリもあり、手軽に最初の一歩を踏み出しやすくなっています。終活の一環として、まず現状を整理したいだけの方であれば、無料の範囲で十分な場合もあります。
有料プランで追加されることが多い機能
やり取りの回数を無制限にする、家族への想いを書き添える付言事項の提案を受ける、専門家への相談やPDF資料の送付といった機能は、有料プランでのみ使えることが多いです。金融機関や士業が無償で提供するタイプのように、そもそも全体を無料で公開しているサービスもあり、有料化の範囲はサービスの提供元によって差があります。
最終的に公正証書遺言として仕上げる場合は、アプリの利用料とは別に、財産の価額に応じた公証人手数料や、専門家に依頼する場合の報酬が発生します。公証人手数料の目安は日本公証人連合会のサイト等で確認できます。アプリ単体の費用だけでなく、仕上げまでにかかる総額で考えることが大切です。
実例で見る無料と有料の違い

2026年時点で公開されている遺言作成アプリを見ると、無料と有料の分け方にはいくつかの型があります。次のような例が参考になります。
- 税理士法人レガシィが母体のレガシィマネジメントグループが運営するAIチャット型のアプリでは、キャラクターとの対話で財産整理や想いをのこす機能、遺言書草案の保存までを基本無料で利用でき、やり取りの回数を無制限にする有料プラン(月額制の安心プランなど)が別途用意されている例があります
- 司法書士事務所が監修するチャットボット形式のアプリでは、数分程度の所要時間で質問に答えるだけで草案を作成でき、内容に納得できなければ何度でも作り直すことができる点を無料の範囲で打ち出し、App StoreやGoogle Playからダウンロードして使う例もあります
- 金融機関が無償で提供するサービスのように、財産情報の一覧化や遺言書案文のイメージ作成までを無料で公開しているケースもあれば、法的な遺言書ではなく想いや資産情報を記録するエンディングノート・終活ノートとして、無料で使えるものもあります
いずれの例も、どこまでが無料でどこからが有料かはサービスごとに異なるため、名称だけで判断せず、利用規約や料金ページで範囲を確認することをおすすめします。
アプリの草案に法的な効力はない点に注意

遺言作成アプリが自動で作った文章や草案そのものには、法的な効力はありません。効力を持たせるには、遺言者本人が全文・日付・氏名を自書し押印する自筆証書遺言、または公証役場で公証人に作成してもらう公正証書遺言など、民法が定める方式に沿った手続きが別途必要です。自筆証書遺言を選ぶ場合、アプリで作った下書きであっても、本文は結局のところ遺言者本人が紙に書き写す必要があります。
2026年には、パソコンやスマートフォンで作成した遺言のデータを法務局が保管する制度を認める民法改正案の議論が進んでいますが、これはまだ法案の段階であり、現時点のアプリの草案がそのまま法的な効力を持つわけではありません。最新の動きは法務省の公式サイト等でご確認ください。
個人情報や財産情報を預ける前に確認したい安全性のポイント

遺言作成アプリには、預貯金や不動産といった財産の内容、相続人になる家族の氏名や続柄など、他人に知られたくない個人情報を入力することになります。利用を始める前に、次の点を確認してください。
運営会社の情報を公開しているか
運営会社の名称や所在地、グループ概要が公式サイトに明記されているか、税理士法人や司法書士法人といった士業の法人が母体になっているかを確認しましょう。士業法人が運営に関わっているサービスは、専門家の監修のもとで内容が作られている分、安心材料の一つになります。
データの取り扱い体制が説明されているか
入力した情報の暗号化やセキュリティ審査の実施状況、AIを使ったサービスであればAIの利用方針について、公式サイトで説明されているかを確認してください。情報管理体制について具体的な説明が見当たらないサービスは、財産情報を入力する前に問い合わせて確認することをおすすめします。
サービスが終了した場合の備え
アプリのサービス終了やアップデートの停止によって、保存したデータにアクセスできなくなるリスクはゼロではありません。作成した草案や財産目録は、アプリ内に保存するだけでなく、PDFなど自分の手元にも残しておくと安心です。
費用をかけてでも専門家への相談を検討したいケース
次のような場合は、無料のアプリだけで完結させようとせず、早い段階で司法書士や弁護士など専門家への相談を検討してください。
- 誰にどの財産を遺すか、遺言執行者を誰に指定するかで迷い、相続人の遺留分を侵害していないか不安がある場合
- 内縁のパートナーへの遺贈や特別受益など、家族構成が複雑で判断に迷う場合
- 相続財産に不動産や自社株式など評価額の算定が難しい財産が含まれ、相続税の申告が必要になりそうな場合
- 財産の総額が大きく、アプリの利用料や公証人手数料を惜しんで内容に不備が生じるほうがリスクが大きいと考えられる場合
司法書士事務所リーガルステーションでは、初回相談から費用の見通しも含めてご案内しており、公証人との打ち合わせへの同行も対応していますので、まずは費用感を確認したいという相談だけでも歓迎します。
まとめ|無料の範囲を確認しつつ、安全性は契約前にチェックを
遺言作成アプリは、財産の整理や下書き作成までは無料で使えるものが多く、専門家への相談やPDF送付といった踏み込んだサポートは有料プランに含まれるのが一般的です。ただしアプリの草案そのものに法的な効力はなく、効力を持たせるには自筆証書遺言や公正証書遺言といった方式に沿った手続きが別途必要です。個人情報や財産情報を入力する前には、運営会社の情報公開の状況やデータの取り扱い体制を必ず確認し、サービス終了時に備えて草案は手元にも残しておきましょう。アプリの種類ごとの特徴や使い方は別記事「遺言書作成アプリは使える?」でも解説していますので、あわせてご確認ください。費用の見通しや安全性の確認方法に不安がある場合は、司法書士事務所リーガルステーションまでお気軽にご相談ください。
