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姪に財産を残すため公正証書遺言を作成した事例

姪への財産の相談事例

重い病気により死期が迫る中、「お世話になっている姪に財産を残したい」というご希望を受け、公正証書遺言の作成を急ぎでサポートした相談事例です。

※個人情報保護のため、事例の内容は一部変更しています。

ご相談の概要

相談内容
子どもがいないご本人が、自分の面倒を見てくれていた姪に財産を残したいというご相談
相談者
受遺者となる姪の方
ご本人
80代の遺言者
主な財産
預貯金・自宅不動産
家族構成
子どもなし。法定相続人は甥・姪
作成した遺言
公正証書遺言

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司法書士 田中良太

ご相談前のお悩み

ご本人は病気の影響で体調が思わしくなく、死期が迫っている状況でした。そのため、相談者である姪の方は「遺言書の作成が間に合うのか」という点を強く心配されていました。

また、ご本人には子どもがなく、法定相続人は甥・姪にあたる方々でした。兄弟姉妹や甥・姪が多い場合、遺言書がないまま相続が発生すると、遺産分割協議がまとまりにくくなる可能性があります。ご本人としては、日頃から面倒を見てくれていた姪に財産を残したいという明確なご意向がありました。

初回相談で確認したこと

まず、相続関係や財産の内容を確認しました。そのうえで、最も重視したのは、ご本人の意思確認です。「本当にその内容の遺言書を作成したいのか」「ご本人の意思に基づくものなのか」を、丁寧に確認しながら進めました。

遺言書は、形式を整えるだけでなく、ご本人の意思がしっかり反映されていることが大切です。特に体調面に不安がある場合は、後から意思能力を理由に遺言の有効性を争われるリスクにも配慮する必要があります。

公正証書遺言を提案した理由

公正証書遺言

今回のケースでは、公正証書遺言での作成をご提案しました。公正証書遺言は、公証人が関与して作成する遺言です。自筆証書遺言と比べて、形式不備による無効のリスクを抑えやすく、後から「本人の意思ではなかった」「意思能力に問題があった」などと主張される可能性を軽減しやすいという特徴があります。ご本人の体調が芳しくなく、できるだけ早く、かつ確実性の高い形で遺言書を作成する必要があったため、公正証書遺言が適していると判断しました。

遺言執行者についての説明

今回のご相談では、遺言執行者の指定についても説明しました。遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人のことです。相続人全員の住所調査、遺言内容の通知、財産目録の作成、相続人とのやり取りなど、遺言内容を実行するための実務を担います。

受遺者自身が遺言執行者になることも可能ですが、その場合のメリット・デメリットも含めてご説明しました。そのうえで、専門家を遺言執行者に指定することで、相続開始後の手続きを任せやすくなる点もお伝えしました。

作成時に注意したポイント

今回の事例では、兄弟姉妹には遺留分がないため、遺留分への配慮は不要でした。一方で、なぜこのような財産の残し方を希望したのか、他の相続人にも伝わるようにすることが大切でした。

そこで、遺言書の中に付言事項を入れ、これまでの経緯や、ご本人が姪に財産を残したいと考えた理由が伝わるようにしました。付言事項には法的な拘束力はありませんが、ご本人の想いを残すことで、相続人間の感情的な対立を和らげる一助になることがあります。

当事務所の対応

公証役場

ご本人の体調を考慮し、一日でも早く作成できるよう、特急案件として休日も含めて対応しました。また、公証役場にも事情を説明し、できるだけ早く手続きが進められるよう調整しました。公証役場によって予約状況は異なるため、状況に応じて利用しやすい公証役場を検討することも重要です。さらに、公証人による意思確認に備え、遺言内容は必要以上に複雑にせず、ご本人の意思が伝わりやすいシンプルな内容になるよう配慮しました。

相談後の結果

結果として、公正証書遺言の作成は無事に間に合いました。ご本人、そして相談窓口となっていた姪の方の双方から、とても喜んでいただくことができました。「自分の希望どおりに財産を残したい」「お世話になった人にきちんと想いを伝えたい」というご希望を、形にすることができた事例です。

この事例で専門家が関わった意味

今回の事例で専門家が関わった大きな意味は、限られた時間の中で、できるだけ確実に遺言書を作成できたことです。遺言書は、ただ文面を作ればよいものではありません。相続関係、財産内容、ご本人の意思、将来の手続き、相続人への通知、遺言執行の実務など、複数の点を整理したうえで作成する必要があります。特に今回のように時間的な余裕が少ないケースでは、公証役場との調整や、意思確認を見据えた内容整理も重要になります。経験のある専門家が関わることで、ご本人の希望をできるだけ確実な形で残すサポートが可能になります。

同じようなお悩みをお持ちの方へ

過去には、残念ながら遺言書の作成が間に合わなかったケースもあります。人がいつ、どのような状況になるかは誰にもわかりません。だからこそ、遺言書は「まだ元気だから大丈夫」と先延ばしにするのではなく、動けるうち、判断力がしっかりしているうちに準備しておくことが大切です。

「特定の人に財産を残したい」「子どもがいないため相続が心配」「お世話になった人に想いを残したい」という方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

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