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遺言書作成の手数料はいくら?内訳と一覧を解説

遺言書の作成にかかる費用について調べていると、「手数料」「報酬」「実費」という似た言葉が入り混じって出てくるため、結局いくらかかるのか分かりにくいと感じる方が少なくありません。特に「手数料」は、法務局や公証役場といった公的機関に支払う費用を指す言葉で、専門家に依頼したときの「報酬」とは性質が異なります。

この記事では、司法書士事務所リーガルステーションが、遺言書作成でかかる「手数料」に絞って、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言それぞれの金額と、公証人手数料の早見表、手数料以外にかかる実費・専門家報酬との違いまで整理します。

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司法書士 田中良太

「手数料」とは何を指すか|報酬・実費とのちがい

まず言葉の整理をしておきましょう。「手数料」は、公証役場や法務局など公的機関に支払う、法令で金額が定められた費用です。公証人手数料令や法務局の手数料令に基づく金額のため、どの公証役場・法務局で手続きしても金額は変わりません。

「報酬」は、司法書士・行政書士・弁護士といった専門家に依頼したときにその専門家へ支払う対価で、事務所ごとに金額を設定できます。「実費」は、戸籍謄本の取得費用や郵送料など、手続きに伴って実際にかかった費用をそのまま負担するものです。この記事では、このうち公的機関に支払う「手数料」に絞って内訳と金額を整理します。専門家に依頼する場合の報酬相場は、依頼先ごとに別の記事で解説しています。

遺言書の作成でかかる主な手数料一覧

遺言書の作成でかかる主な手数料一覧

遺言書には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3方式があり(民法968条から970条)、手数料が発生する場面はそれぞれ異なります。

自筆証書遺言|法務局の保管制度を利用する場合の手数料

自筆証書遺言を自宅で保管する場合、作成そのものに手数料はかかりません。一方、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用して法務局に預ける場合は、遺言書1件につき3900円の手数料がかかります。この手数料は保管の申請時に収入印紙で納付します。

公正証書遺言|公証役場に支払う公証人手数料

公正証書遺言は、公証役場で公証人手数料を支払って作成します。金額は財産の内容によって変わるため一律ではなく、次の項で詳しく説明します。

秘密証書遺言|公証役場での認証手数料

秘密証書遺言は、遺言者が作成した遺言書を封印し、公証役場で存在を証明してもらう方式です。この認証にかかる手数料は、財産額にかかわらず一律11000円です。ただし秘密証書遺言は、内容に不備があっても公証人が確認しないため、自筆証書遺言・公正証書遺言に比べて実務上の利用は少ない方式です。

公証人手数料の内訳と計算方法

公証人手数料の内訳と計算方法

公正証書遺言でかかる公証人手数料は、日本公証人連合会が公表している「公証人手数料令」という政令の別表に基づき、遺言の対象となる財産の「目的の価額」に応じて段階的に決まります。

目的の価額に応じた手数料表

手数料は2025年10月の公証人手数料令改正で見直されており、次の金額は改正後のものです。目的の価額が50万円以下は3000円、50万円を超え100万円以下は5000円、100万円を超え200万円以下は7000円、200万円を超え500万円以下は13000円、500万円を超え1000万円以下は20000円、1000万円を超え3000万円以下は26000円、3000万円を超え5000万円以下は33000円、5000万円を超え1億円以下は49000円が目安です。1億円を超え3億円以下の部分は49000円に5000万円ごとに15000円、3億円を超え10億円以下の部分は109000円に5000万円ごとに13000円、10億円を超える部分は291000円に5000万円ごとに9000円が加算されます。最新の金額は公証役場にご確認ください。

相続人(法定相続人)や受遺者が複数いる場合は、財産を受け取る人ごとに目的の価額を算定し、それぞれの手数料を合算します。相続人以外の人に財産を遺贈する場合も、受遺者ごとに同じ考え方で目的の価額を算定するため、同じ総財産額でも分け方によって手数料の合計は変わります。たとえば遺産の総額が1億円で、財産を受け取るのが相続人1人だけの場合は、基本手数料49000円に、後述する遺言加算13000円を加えた62000円が公証人手数料の目安になります。

遺言加算|財産1億円以下の場合に加わる13000円

上記の手数料を合算した金額が、遺言者の全財産の価額で1億円以下となる場合は、「遺言加算」として13000円が別途加算されます(2025年10月の改正前は11000円でした)。相続財産の総額が比較的小さい方でも、この加算があることは押さえておきたいポイントです。

正本・謄本の交付手数料と証書の枚数による加算

公正証書遺言の原本は公証役場で保管され、遺言者には正本と謄本が交付されます。この正本・謄本を書面で交付してもらう場合の手数料は用紙1枚につき300円で、遺言の内容が複雑で証書の枚数が多くなるほど手数料も増えます。電子データでの交付を選べる公証役場では、1通あたり2500円が目安です。

公証人に出張を依頼する場合の日当・交通費

病気や高齢で公証役場に出向けない場合は、公証人に自宅や病院への出張を依頼できます。この場合、通常の手数料が1.5倍になるほか、証人への日当とは別に公証人自身の日当(4時間まで1万円、4時間を超える場合は2万円が目安)と交通費の実費が加算されます。

手数料以外にかかる実費・専門家報酬

手数料以外にかかる実費・専門家報酬

「手数料」は上記のとおり金額が決まっていますが、遺言書作成にはこのほかにも実費や専門家報酬がかかります。

戸籍謄本・登記事項証明書などの取得実費

公正証書遺言を作成する際は、遺言者と相続人・受遺者の関係を示す戸籍謄本、財産に不動産が含まれる場合は登記事項証明書や固定資産評価証明書、印鑑登録証明書などの取得が必要です。取得先の役所によって金額は異なりますが、戸籍謄本は1通450円程度、除籍謄本・改製原戸籍は1通750円程度、住民票は1通300円程度、登記事項証明書は1通600円程度が目安です。不動産の評価額は、固定資産税の納税通知書や固定資産評価証明書で確認しておくとスムーズです。

証人2名に支払う日当

公正証書遺言の作成には、証人2名の立ち会いが必要です。証人を自分で用意できない場合は、公証役場や依頼先の専門家事務所に紹介を依頼でき、その場合は証人1名につき5000円から1万円程度の日当がかかります。

司法書士・行政書士・弁護士に依頼する場合の報酬

遺言の文案作成や必要書類の収集を司法書士・行政書士・弁護士に依頼する場合は、公証人手数料とは別に、専門家への報酬が発生します。文案作成にかかる報酬は依頼先や業務範囲によって幅があるため、行政書士の費用・司法書士の費用・弁護士の費用は、それぞれの記事で解説しています。弁護士に依頼する場合の報酬は事務所により幅がありますが、旧日本弁護士連合会報酬等基準を参考にしている法律事務所も少なくありません。

遺言執行者への報酬

遺言の内容を実現する遺言執行者を専門家や信託銀行に依頼する場合は、作成時の手数料・報酬とは別に、遺言執行時に執行報酬が発生します。信託銀行の遺言信託を利用する場合は、この執行報酬が高めに設定されていることが多く、作成段階であわせて確認しておくと、将来の総額を見積もりやすくなります。

手数料の支払い方法とタイミング

手数料の支払い方法は手続きによって異なります。法務局の自筆証書遺言書保管制度は、申請時に収入印紙で納付します。公証役場での公正証書遺言・秘密証書遺言の手数料は、作成当日に現金で支払うのが一般的です。

なお、自筆証書遺言を法務局に預けず自宅で保管していた場合、相続開始後に家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になります。検認の申立てには収入印紙800円と、相続人への通知に使う郵便切手代がかかります。この検認の手数料は遺言書作成時ではなく、相続開始後に発生する点に注意してください。

まとめ|「手数料」は公的機関に払う定額の費用

遺言書作成でかかる「手数料」は、法務局や公証役場といった公的機関に支払う、法令で金額が定められた費用です。自筆証書遺言の保管制度は一律3900円、秘密証書遺言は一律11000円、公正証書遺言は財産の価額に応じた手数料令の早見表で決まります。これに専門家へ依頼する場合の「報酬」、戸籍謄本などの「実費」が加わって総額になります。

手数料は法令の改正により変更される場合があるため、実際に手続きする際は最新の金額を公証役場・法務局にご確認ください。なお、相続財産の額によっては相続税が発生する場合があります。相続税がかかるかどうかや税額の見込みは、税理士に確認しておくと安心です。依頼先ごとの報酬相場や、財産額別の総額シミュレーションを知りたい方は、あわせて関連記事もご覧ください。専門家への依頼を検討されている方は、司法書士事務所リーガルステーションまでお気軽にご相談ください。

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