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遺言は何歳から作れる?年齢の条件と作成に適したタイミング

「遺言作成 年齢」と検索する方の多くは、遺言書を書くのに何歳から取り組めるのか、あるいは何歳までに作っておくべきなのか、年齢に関する条件やタイミングを知りたいと考えています。結論からお伝えすると、遺言は民法が定める満15歳に達していれば、親の同意なしに誰でも一人で作成できます。年齢の上限はなく何歳からでも書き始められますが、遺言をするには「意思能力」が必要とされているため、加齢や認知症によって判断能力が低下すると、年齢の条件を満たしていても有効な遺言を残せなくなるおそれがあります。この記事では、遺言作成に関わる年齢の条件、年齢を重ねてからの注意点、作成に適したタイミング、証人や遺言執行者になるための年齢の違いまでを、司法書士事務所リーガルステーションが解説します。

司法書士 田中良太

この記事の監修者

司法書士 田中 良太千葉県司法書士会 登録 第1702号

相続・遺言の面談を3,000人以上経験。最初から最後まで司法書士本人が対応します。

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結論|遺言は満15歳から作成でき、年齢の上限はない

結論|遺言は満15歳から作成でき、年齢の上限はない

民法961条は「15歳に達した者は、遺言をすることができる」と定めており、通常の契約などの法律行為を一人で有効に行うために必要な成年年齢(18歳)より3年早い時点で、遺言については単独での作成が認められています。遺言の制度は、本人の最終的な意思をできるだけ尊重しようという考え方にもとづいており、法律上は、満15歳に達すれば、親権者の同意や法定代理人の許可を得ることなく、誰でも自分の意思だけで遺言書を作成できます。

一方で年齢の上限については民法に規定がなく、何歳になっても遺言を作成・書き直すことができます。ただし、遺言をするためには年齢の条件に加えて「意思能力」(遺言能力)を備えている必要があり、法的には、年齢の条件と意思能力の条件の両方を満たしてはじめて、有効な遺言として効力を持ちます。認知症などによって判断能力を欠く常況になると、15歳以上であっても有効な遺言を作成できなくなる点について、次の項目から順に解説します。

なぜ15歳からなのか|15歳未満は遺言できない理由と作成時の注意点

なぜ15歳からなのか|15歳未満は遺言できない理由と作成時の注意点

遺言が「15歳」という年齢で認められている理由

遺言は、自分の財産を誰にどう引き継ぐかという、本人の意思そのものを反映させる一身専属の行為です。一般的な契約などの法律行為とは異なり第三者が代理することができないため、民法は未成年者であっても一定の判断能力を備えているとみなせる15歳という年齢を基準に、単独での作成を認めています。15歳未満の人が作成した遺言は、内容や本人の意思がどれだけ明確であっても、年齢の要件を満たさないため無効と判断されます。

15歳以上18歳未満の人が遺言を作成する場合に気をつけたいこと

15歳以上であれば未成年者であっても単独で遺言を作成できますが、本人の真意に基づく遺言であることを後から争われにくくするため、自筆証書遺言よりも、公証人が内容を確認しながら作成する公正証書遺言を選ぶ方が安心です。自筆証書遺言・公正証書遺言のほかに、内容を明らかにせず存在だけを証明してもらう秘密証書遺言という方式もありますが、15歳以上18歳未満の方には、公証人が内容を確認してくれる公正証書遺言がより安心といえます。公正証書遺言の作成には証人2人以上の立ち会いが必要になるため、信頼できる大人に依頼しておきましょう。公証人への相談や予約の流れは、日本公証人連合会のウェブサイトや、最寄りの公証役場で確認できます。自筆証書遺言で作成する場合の基本的な書き方は、別記事「自筆証書遺言の書き方」で解説していますので、あわせてご確認ください。

年齢の上限はないが「意思能力」が必要

年齢の上限はないが「意思能力」が必要

遺言を作成する年齢に上限はなく、何歳からでも書き始められる

遺言書を作成する方の平均年齢は70歳以上といわれていますが、これは「高齢になってから作成する人が多い」という傾向を示すだけで、何歳から書き始めても構わないという点に変わりはありません。65歳や72歳で初めて作成する方もいれば、結婚や出産を機に、30代・40代といった若いうちから作成する方もおり、年齢そのものが作成の障害になることはありません。

認知症などで意思能力を欠くと、年齢に関係なく遺言が無効になる

遺言をするためには、満15歳という年齢の条件に加えて、遺言の内容とその結果を理解できる「意思能力」(遺言能力)を備えていることが必要です。加齢や認知症が進み、事理を弁識する能力を欠く常況にあると判断されると、年齢の条件を満たしていても有効な遺言を作成できません。意思能力を欠く常況で作成された遺言は、本人の死後に遺言の効力そのものが相続人の間で争いの対象になることもあります。すでに成年後見が開始している方が遺言を作成する場合の医師の立ち会いなど特別な要件については、別記事「認知症の親に成年後見人がついている場合の遺言作成」で詳しく解説していますので、当てはまる場合はあわせてご確認ください。

年齢ではなく「人生の節目」で作成のタイミングを考える

年齢ではなく「人生の節目」で作成のタイミングを考える

遺言作成のタイミングに決まった年齢はありませんが、結婚・出産・再婚・定年退職といった人生の節目は、預貯金や不動産といった財産の持ち主や渡したい相手が変わりやすく、遺言を作成・見直すきっかけとして選ばれることが多い場面です。たとえば「自宅は長男に相続させたい」「内縁のパートナーにも財産を渡したい」「子どもたちに平等に遺産を分けたい」など、誰にどう渡すかという希望が具体的になった時点が、終活の一環として生前に遺言を書き始める良い機会になります。遺言は法律上いつでも自由に書ける書面であり、高齢になってから慌てて準備するのではなく、心身が元気で意思がはっきりしているうちに取りかかっておくと、内容を落ち着いて検討でき、様式の不備による無効のリスクも抑えられます。

一度作成した遺言は、年齢を重ねても何度でも書き直せる

一度作成した遺言は、年齢を重ねても何度でも書き直せる

遺言は、本人の意思が変われば何度でも書き直せる書面です。以前の内容を撤回して全く新しい遺言に作り直すことも、一部だけを修正することもできます。複数の遺言書が見つかった場合は、作成日が新しいものの内容が優先されるため、結婚・再婚・子どもの誕生・死別など家族構成や財産状況に変化があったときは、そのつど内容を見直し、必要に応じて書き直しておくと、意思と実際の遺言内容のずれを防げます。年齢が上がるほど意思能力が問題になりやすくなるため、書き直す場合はできるだけ早い段階で済ませておくことをおすすめします。

遺言者本人とは別に、証人・遺言執行者になるための年齢

遺言者本人とは別に、証人・遺言執行者になるための年齢

ここまでは遺言を「作成する本人」の年齢について解説してきましたが、公正証書遺言に立ち会う証人や、遺言の内容を実現する遺言執行者になるための年齢は、遺言者本人とは異なるルールが定められています。法的には、遺言者本人と証人・遺言執行者とで、求められる年齢の基準が逆になっている点に注意が必要です。民法974条は未成年者を証人になれない人として明記しており、証人になるには18歳以上の成年である必要があります。遺言執行者についても未成年者はなれないとされており(民法1009条)、遺言者本人が15歳から作成できるのに対し、証人・遺言執行者は18歳以上という違いがあります。なお、推定相続人や受遺者、その配偶者・直系血族なども証人になることはできません。

年齢を理由に先延ばしにすると、どのようなリスクがあるか

年齢を理由に先延ばしにすると、どのようなリスクがあるか

「まだ早い」「もっと高齢になってから」と先延ばしにしていると、加齢や認知症の進行によって意思能力が認められなくなるだけでなく、突然の事故や病気によって、一度も有効な遺言を残せないまま亡くなってしまうケースもあります。遺言がない状態で相続が発生すると、相続人全員による遺産分割協議で財産の分け方を決めることになり、不動産の相続登記や預貯金の名義変更の手続きも、相続人全員の署名・押印をそろえてから進めることになります。相続人の仲が良くない場合や関わる人数が多い場合ほど、話し合いがもめる・争いになるリスクが高く、円満な遺産相続を望むのであれば、早めに遺言で誰に何を引き継ぐかを明確にしておくことが有効です。相続税の申告期限や、相続放棄・遺留分といった制度にはそれぞれ期限や手続きの決まりがあるため、この点でも早めの準備が相続人の負担を減らすことにつながります。

こんな場合は専門家に相談した方がよい

こんな場合は専門家に相談した方がよい

15歳以上18歳未満の方が遺言を作成する場合、高齢の親に遺言を書いてもらいたい場合、本人の意思能力に不安がある場合は、年齢や判断能力の条件を満たしているかという点だけでも、司法書士や弁護士、行政書士といった専門家に相談しながら進めると、具体的なアドバイスを受けながら安心して準備できます。相続財産に不動産や株式などが多く、相続税が関わる規模になる場合は、税理士と連携しながら進めるケースもあります。年齢を理由に迷っている段階でも、まずは司法書士事務所リーガルステーションまでお気軽にご相談ください。

まとめ|遺言は満15歳から作成できる。年齢より「今の意思能力」を基準に考える

まとめ|遺言は満15歳から作成できる。年齢より「今の意思能力」を基準に考える

遺言は、民法が定める満15歳に達すれば、年齢の上限なく何度でも作成・書き直すことができます。一方で、遺言をするには年齢の条件に加えて意思能力が必要なため、加齢や認知症によって判断能力を失ってしまうと、せっかくの意思を有効な遺言として残せなくなるおそれがあります。遺言には、法的な効力を持たない「付言」として、家族への感謝などのメッセージを書き添えることもでき、年齢を重ねても、今の思いを遺すことができます。作成した遺言書は、自宅保管のままにせず法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用すると、紛失や改ざんのリスクを抑えられます。結婚・出産・退職といった人生の節目や、心身が元気なうちというタイミングを目安に、年齢にとらわれず早めに取りかかることが、遺言者本人の意思を確実に残すための一番の近道です。年齢や意思能力の条件に不安がある場合、証人・遺言執行者の選び方に迷う場合は、司法書士事務所リーガルステーションまで、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

司法書士 田中良太

田中 良太司法書士

保有資格
司法書士・行政書士・宅地建物取引士・測量士補・簡裁訴訟代理等能力認定
所属
千葉県司法書士会(個人登録番号 第1702号/簡裁訴訟代理認定 第1401013号)
学歴
同志社大学 法学部 法律学科 卒業
経歴
相続を主とする司法書士事務所に勤務しながら司法書士試験に合格。債務整理・不動産登記・相続と、業務の異なる4つの司法書士事務所で10年以上の実務を経験
実績
相続・遺言の面談3,000人以上
専門
相続・生前対策に特化。税理士・弁護士などの専門家と連携し、遺言書の作成から相続後の手続きまで対応
お客様目線に立った、親切で正直な対応をお約束します。手続きのデメリットやリスクも、包み隠さずお伝えします。

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