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遺言書作成弁護士費用の見積書|内訳と比較のポイント

遺言書作成を弁護士に依頼しようと見積もりを取ってみたものの、「サポート報酬」「実費」「日当」といった項目が並んでいて、どこを見て他の事務所と比べればいいのか分かりにくいと感じていないでしょうか。総額だけを見て安い・高いを判断すると、後から思わぬ追加費用が発生して認識のずれが生まれることもあります。

この記事では、司法書士事務所リーガルステーションが、遺言書作成の弁護士費用の見積書に並ぶ項目を1つずつ確認する方法、金額が事務所によって変わる条件、複数の事務所から見積もりを取って比較するときのポイントを解説します。作成報酬の相場そのものを詳しく知りたい方、紛争発生時の弁護士費用を知りたい方は、後述する関連記事もあわせてご確認ください。

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司法書士 田中良太

遺言書作成の弁護士費用の見積書には、何が書かれているか

遺言書作成の弁護士費用の見積書には、何が書かれているか

遺言書作成を弁護士に依頼したときの見積書には、大きく分けて「サポート報酬」「実費」「公正証書遺言を選ぶ場合の公証人手数料」「遺言執行を依頼する場合の執行報酬」という4つの項目が並ぶのが一般的です。事務所によっては、これらを1つの一括料金として提示する場合と、項目ごとに金額を分けて提示する場合があり、後者のほうが、どの手続きにいくらかかっているのかを見積もりの段階で把握しやすくなります。

見積書を受け取ったら、まず総額だけでなく、この4項目それぞれに金額が入っているか、それとも一部が「別途」「実費相当」といった記載にとどまっているかを確認しましょう。「別途」とされている項目は、後から追加の実費や手数料が発生する可能性があるという意味です。次の章から、項目ごとにどのような内容が含まれ、確認すべき点は何かを見ていきます。

見積書の内訳を1項目ずつ確認する

サポート報酬(相談・文案作成・書類収集)

サポート報酬は、遺言の内容についての相談対応、遺言書の文案作成、相続人の確定や財産の把握に必要な戸籍謄本・不動産登記事項証明書などの収集代行に対する費用です。相場は10万円から20万円程度ですが、財産の種類や相続人の数が多く、相続関係が複雑な事案ほど確認事項が増えるため、相場の上限に近づく傾向があります。相続人の確定にあたっては、被相続人より先に亡くなった人がいないか、相続放棄をした人がいないかまで確認したうえで、遺産分割協議の対象になる相続人の範囲を法的に確定させる必要があり、この調査の手間も見積金額に影響します。サポート報酬の相場や、財産の内容ごとの金額の目安をより詳しく知りたい場合は、遺言書作成を弁護士に依頼した場合の費用相場の記事で解説していますので、あわせてご確認ください。

実費(戸籍謄本・登記事項証明書・保管の手数料など)

サポート報酬とは別に、戸籍謄本・除籍謄本・住民票・印鑑証明書といった書類の取得実費が数千円程度かかります。相続財産に不動産が含まれる場合は不動産登記事項証明書や固定資産の評価証明書、預貯金があれば金融機関での解約手続きに使う残高証明書の発行手数料も実費として加わります。自筆証書遺言を法務局の保管制度で保管する場合は、申請時に1件あたり3900円の手数料が別途必要です。これらの実費は、依頼者が実額を負担する定めにしている事務所が原則で、見積書の「実費」欄には、そのうちどこまでが見込み額として含まれているかを確認しておくと、後から追加請求が来て驚くことを避けやすくなります。

公正証書遺言を選ぶ場合に加わる公証人手数料・証人日当

公正証書遺言を選ぶ場合は、弁護士へのサポート報酬に加えて、公証役場へ支払う公証人手数料が別途必要です。手数料は遺言の対象となる財産の評価額に応じて段階的に高くなり、目的の価額が1億円以下の場合はこれに「遺言加算」として1万1000円が加算されます。また、公正証書遺言の作成には証人2名以上の立ち会いが必要で、未成年者や推定相続人などは証人になれないと民法で定められているため、法律事務所に証人の手配を依頼すると1人あたり1万円前後の手数料が実費として加わるのが実務上の相場です。自宅や病院への出張を公証人に依頼する場合は、手数料の加算に加えて日当・交通費の実費も見積もりに含まれているか確認しましょう。

遺言執行報酬(見積書で別項目になっているか)

遺言作成時に弁護士を遺言執行者として選任・指定した場合、相続開始後には作成時のサポート報酬とは別に執行報酬が発生します。経済的利益300万円以下の案件では一律30万円程度を最低額としている事務所が多く見られ、これを下回る依頼者の負担にはならないよう設計されているのが一般的です。この執行報酬は、遺言書作成を依頼した時点の見積書には金額の見込みだけが記載され、実際の請求は相続開始後になることが多いため、「いつの時点で確定する金額なのか」を見積もりの段階で確認しておくことが重要です。執行報酬の計算方法や目安をより詳しく知りたい場合は、遺言書作成を弁護士に依頼した場合の費用相場の記事でも解説しています。

見積金額が事務所によって変わる条件

見積金額が事務所によって変わる条件

同じ「遺言書作成」という依頼内容でも、見積金額は次のような条件によって上下します。財産の種類・数が多く評価額の把握に手間がかかる場合、不動産が複数の市区町村にまたがる場合、相続人の数が多く戸籍謄本の収集に時間がかかる場合は、サポート報酬が相場の上限に近づきやすくなります。

これに加えて、特定の相続人に財産を多く残したい、または逆に財産を残したくない事情がある場合、財産の一部を相続人以外の人物に遺贈したい事情がある場合など、遺留分を侵害する可能性がある偏った財産配分を検討している案件は、将来相続人間で遺留分侵害額請求という紛争に発展するリスクが高いと判断され、事前の設計や想定される反論への備えに時間がかかる分、報酬が上がりやすくなります。見積書に「紛争予防のための設計費用」といった項目が別立てで入っている場合や、逆にまったく触れられていない場合は、その事務所がどこまでを標準の対応範囲としているかの違いです。なお、紛争が実際に発生し、遺留分侵害額請求の代理人としての交渉・調停・審判・訴訟を依頼する段階になると、経済的利益300万円以下、300万円超3000万円以下、3000万円超3億円以下、3億円超という区分ごとに料率が変わる着手金・報酬金という、作成時とはまったく別の費用体系に切り替わります。この仕組みは遺言作成の弁護士費用|紛争発生時の着手金・報酬金まで解説の記事で詳しく解説していますので、遺留分をめぐる争いの可能性がある場合はあわせてご確認ください。

自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを選ぶかも、見積金額に影響します。自筆証書遺言はサポート報酬のみで済み、公証人手数料や証人日当がかからない分、総額を抑えやすい一方、法務局の保管制度を使わない場合は相続開始後に家庭裁判所での検認という手続きが必要になります。公正証書遺言は公証人手数料・証人日当が上乗せされますが、原本が公証役場に保管されるため検認が不要になる点が、費用と手間のトレードオフになります。なお、遺言書を封印したまま公証人と証人に存在だけを証明してもらう秘密証書遺言という方式もありますが、実務で選ばれる件数は少なく、見積もりを取る際は自筆証書遺言・公正証書遺言のどちらかを前提に話を進める事務所がほとんどです。

複数の事務所から見積もりを取って比較するときのポイント

遺言書作成の弁護士費用を複数の事務所で比較するときは、総額だけでなく次の点を確認すると、あとから想定外の負担に驚くことを避けやすくなります。

サポート報酬・実費・公証人手数料・執行報酬の4項目が、見積書の中でそれぞれ金額として分かれているか。財産の内容や相続人の数が増えた場合、報酬がどの程度変動する可能性があるか。将来遺留分侵害額請求などの紛争に発展した場合、着手金・報酬金の料率表を契約前に書面で開示してもらえるか。出張が必要な場合の日当・交通費が見積もりに含まれているか。収入や資産が一定以下の場合に利用できる法テラスの民事法律扶助が使えるか。この点は分割払いの制度とあわせて遺言書の作成費用|支払い方法と、足りない場合の対処法の記事でも詳しく解説しています。この5点を事前に確認しておくと、金額の大小だけでなく対応範囲まで含めて依頼先を比較できます。

見積もりを依頼する前に、自分の側で整理しておくこと

見積もりを依頼する前に、自分の側で整理しておくこと

見積もりの精度を上げるには、依頼する側であらかじめ整理しておく情報があります。財産のおおまかな内容(不動産・預貯金・株式などの種類と概算の評価額)、相続人になる人の人数と関係性、特定の相続人に財産を多く残したい、または残したくない事情の有無、自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらを希望するか、遺言執行者への就任もあわせて依頼するかどうか、の5点です。これらを整理してから相談に臨むと、法律事務所側も確認事項を絞り込みやすくなり、初回の法律相談の時間内でより具体的な見積もりを受け取りやすくなります。

まとめ|見積書は項目ごとに確認し、複数の事務所で比較する

遺言書作成の弁護士費用は、サポート報酬・実費・公正証書遺言を選ぶ場合の公証人手数料・遺言執行報酬という4つの項目の積み上げで決まります。総額の大小だけで判断せず、各項目が見積書の中でどこまで金額として示されているか、財産の内容や紛争リスクによって金額がどう変動しうるかを確認したうえで、複数の事務所を比較することが、依頼後の認識のずれを防ぐ近道です。司法書士事務所リーガルステーションでは、見積書の項目ごとの内訳を明確にしたうえでご相談を承っておりますので、遺産相続の見通しを立てるうえで遺言書作成の弁護士費用について不明点がある依頼者の方は、お気軽にご相談ください。

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